コールJUNブログ

コールJUNホームページを補足する。写真も掲載。

ウイーンで第九を歌う

今成紘
昨年、10月習志野第九合唱団での練習の際、東日本大震災復興プロジェクトとして「第1回 歌うDAIKU in ウイーン」という企画が紹介されました。ウイーン少年合唱団とニューイヤーコンサートで有名なウイーン楽友協会ホール「黄金の間」で第九を歌うという企画です。第九を歌うものとしては願ってもない素晴らしい企画で、もう2度と体験できないと思い、早速帰ってから女房にこの話をしました。今年はオーストリアやチェコなど中欧に二人で旅行する予定だったので、反対されるかなと思いましたが、了解してくれました。最初JTBのツアーに申し込む予定でしたが、ユーラシア旅行社から、日本から添乗員がついてしかも全部食事付きのツアーが提案され、割高でしたがそちらに乗り換えました。JTBツアーは夕食がつかず旅程も少し短いものでした。
 主催は(社)世界音楽合唱チャリティー協会、共催がオーストリア政府観光局、第九を歌うのは3月5日です。ツアーは3月2日(日)から3月10日(月)まで、ウイーンとザルツブルク9日間の旅です。
 ウイーンに行く前に、日本で練習が4回ありました。主に港区の高輪区民センターホールで行われました。1月11日、12日の練習は、なんとオーストリア本国から、ウイーン少年合唱団の芸術監督兼指揮者のゲラルド・ヴィルト氏が来日して、直接合唱指導を受けました。ドイツ語ですが、通訳も交えてわかりやすく、その指導に満席300人余りの人たち皆感激しました。
 3月2日(日)10時25分成田空港第1ターミナル南ウイング集合。ユーラシア旅行社のツアーは16人。他の300人ほどの人達はJTBツアーで行きました。今回の企画について安倍総理大臣からのメッセージが配布されました。みんなでそういう企画なのだと改めて今回の旅の重さを感じました。
 12時25分発オーストリア航空052便でウイーンに直行。現地の15時50分にウイーン国際空港に着きました。時差は8時間。11時間半近くの飛行で日本時間では23時50分着で夜中です。その機中、奇遇がありました。実は私が入会している生涯現役ときわ会という団体のある人から2月27日の朝日新聞に「震災のつらい体験 歌で表現 南相馬の子、ウイーンで第九」と題する記事が掲載されているけど、これで行くのですか、との照会がありました。南相馬市の中高生中心の合唱団「MJアンサンブル」が3月5日、オーストリアのウイーンで開かれる東日本大震災の復興支援コンサートでベートーベンの第九を歌う。とありました。まさにこれで行くのです。と答えました。このメンバーは2012年5月にウイーン少年合唱団と東京で共演。これが縁でウイーンに招かれたものです。この記事の中に相馬高1年の女の子が紹介されていました。震災のつらい体験の中、合唱がその子を救ってくれたとの記事でした。機中なんとその子が私の隣のシートにいたのです。一緒に歌えてうれしいですとのコメントをいただき、ウイーンでの練習のときもお互い励まし合いました。安倍総理のメッセージの意味もこのことかとわかりました。
 ウイーンのホテルに入って夕食が現地の7時(日本時間の3日の朝3時)、長旅で、眠らないので食欲がわきませんでした。お互い自己紹介。習志野第九の人が9人、宮崎延岡から一人、大阪、奈良から3人、群馬館林から3人と全国から歌いに来たのです。翌日はウイーン市内観光。モーツアルトの碑やベートーベン、シューベルト、ヨハンシュトラウスなどが眠る中央墓地、ハプスブルク家の夏の離宮であったシェーンブルン宮殿、国立オペラ座、王宮庭園のモーツアルト像、市内中心部のシュテファン大聖堂、などを見学。夕食はベートーベンゆかりのハイリゲンシュタットでベートーベンが住んでいたというワイン居酒屋(ホイリゲ)でいただきました。
 3月4日はウイーンフィルの本拠地ウイーン楽友協会とならぶウイーン交響楽団の本拠地、ウイーンコンツェルトハウス大ホールで、午前中南相馬の合唱団やウイーン少年合唱団、現地のウイーン楽友協会合唱団の人たちとわれわれ日本からの300人余りの合唱リハーサル。立ち席はあらかじめくじ引きで抽選しました。夕方オーケストラ、ソリストも参加して合同リハーサル。オーケストラはウイーンカンマーオーケストラ、芸術監督・指揮者はウイーンカンマーオーケストラのシュテファン・ヴラダー氏。ソリストは日本人2人、オーストリア人2人。リハーサルではオーケストラ、ソプラノ、テノールのオーストリアのソリストに対するダメ出しが多く、これで大丈夫かと思ったほどでした。
 3月5日、晴天に恵まれ、あこがれのウイーン楽友協会で午前中ゲネラルプローベ(通称ゲネプロ、通し稽古)。あーこれがウイーンフィルのニューイヤーコンサートで有名な大ホール「黄金の間」か、と感無量でした。第九の私の立ち位置は、最前列、オーケストラのティンパニーのすぐ後ろ。声を精一杯だしてもティンパニーの音に消されてしまいそうでした。ここでもオーケストラに対する指揮者のダメ出しがありました。演奏会は夜の7時30分開演。合唱団は6時半までに会場へ集合となっていたので、昼食後それまでの時間を利用して有志で、ウイーン美術史美術館に行き、ブリューゲルの「バベルの塔」や「農家の婚礼」「雪の中の狩人」などを見て感動しました。
 7時35分、満員の聴衆のもと演奏会開演。合唱団は第九の第一楽章の始まる前にステージに配置された椅子に座って待機。いよいよベートーベン交響曲第九番第一楽章が始まりました。まず指揮者の迫力とオーケストラの切れに圧倒されました。あのダメ出しは何だったのだろうと。リハーサルと本番はまるで違いました。その音色は楽友協会のホール全体に染み渡るようでした。指揮者の鬼気迫る熱情的な指揮に、現地の人たちも含めた380人余りの合唱団は、第4楽章でここぞとばかり応え、圧倒的な感動をもって歌い上げました。ヨーロッパでは第九は、プロの合唱団が歌うのが通例でアマチュアがこのように歌うことはほとんどないようでしたので、聴衆の皆さんに驚きと感動を与えたようでした。拍手が鳴りやみませんでした。指揮者への花束贈呈はなんと演歌歌手の小林幸子さんでした。どうしてここにと皆思いました。万来の拍手に応えてアンコールに震災での代表的な歌「花は咲く」を合唱しました。 夜10時から祝賀会、指揮者、ソリストを始め、オーストリア、日本の大使それに小林幸子さんが来ていました。主催の(社)世界音楽合唱チャリティー協会の林代表が挨拶し、家内の小林幸子を紹介します、と言いました。みなそうだったのか、と来ていた理由がわかりました。
ima8534a.jpg

「ウイーン楽友協会ホール」      
3月6日は前夜の興奮を残して起床。仲間から今回の第九の模様がNHKニュースで取り上げられた、とのメールが入ったとの紹介がありました。TBSでも11日に特番で取り上げられるそうだとの情報も入りました。このようにニュースになる演奏会に出演したのだ、と皆また感動を共有し合いました。午前中トラム(路面電車)に乗って、クリムトの接吻の絵やエゴン・シーレの絵で有名なベルべデーレ宮殿に行きました。接吻の絵に見ほれましたが、クリムトが風景画を描いていて、それが素晴らしく強く印象に残りました。午後はウイーンからザルツブルクへ特急列車で2時間半の旅を楽しみました。
 3月7日はここにきて一番の好天。ザルツブルク終日市内観光しました。ザルツブルクとは塩の城という意味。かつて岩塩で栄えた町です。モーツアルトの生地やサウンドオブミュージックのロケ地で有名です。ミラベル宮殿と庭園、ここにはサウンドオブミュージックの舞台になったドレミの歌の階段があります。世界遺産の旧市街にある黄色いモーツアルトの生家を訪ね、ケーブルカーでホーエンザルツブルク城へ登り、モーツアルトが洗礼を受け、指揮者カラヤンの葬儀も行われたという大聖堂を見学、最後はモーツアルトチョコの元祖の店でチョコを買い、モーツアルトが訪れたというカフェでコーヒーを飲んでその気分を味わいました。夕食は、モーツアルトディナーコンサートに行きました。ドンジョバンニ、フィガロの結婚、魔笛など室内楽と歌を交えての演奏を聴きながらの食事、豊かなディナーコンサートを味わいました。
 3月8日、今日も風もなく春のような好天。ザルツカンマーグートへの旅。オーストリアのほぼ中央にある山紫水明の湖水地方の一角の観光地です。途中ザンクト・ギルゲンというモーツアルトの母の生家がある町に立ち寄り、目的地ハルシュタットに行きました。ハルシュタット湖畔に町があり、何とも言えない穏やかな、絵はがきのようなという言葉がぴったりの美しい町で、今回の旅の感動と充実感を改めて感じました。
ima8668a.jpg
「ハルシュタット湖」
 3月9日にザルツブルクからウイーンにプロペラ機で移動。11時25分発のオーストリア航空
で成田へ向かい、10日朝8時25分着。日本に入る途中、佐渡ヶ島と富士山がよく見えました。
11日は大震災の3年目、各テレビで特集が組まれましたが、TBSで14時から特番が組まれ、南相馬の中高生がウイーンで第九を歌う様子が約30分放映されました。第九を歌うに至ったいきさつ、練習の様子などが主体でしたが、本番のウイーン楽友協会での演奏の模様も放映されました。その中に何と私が歌っている横顔が8秒ほど映っていました。やったー、行った甲斐があったと思いました。またサンデー毎日3月30日号のグラビアに史上初の「歓喜の歌」と題して、写真が掲載され、私も映っていました。今回の旅は、ウイーン楽友協会ホールでウイーン少年合唱団と第九を歌うという目的があったこともあって、それがかなって、またウイーン、ザルツブルクの素晴らしい文化、風景に触れ合うことが出来て、充実感一杯の忘れ得ぬ旅となりました。来年もこの企画はありますよ。
スポンサーサイト
  1. 2014/04/18(金) 22:35:12|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ゴーヤ | ホーム | これでいいのいいのコンサート>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kilimanjaro.blog5.fc2.com/tb.php/133-ab1e82f7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

kilimanjaro     

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する